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現代重のエコ船で満たされたドック、炭素中立が招いた建造競争
作成日
2022.01.26



今月初めに訪れた全羅南道霊岩(ヨンアム)の現代(ヒョンデ)サムホ重工業造船所ドックは、建造中の船舶でいっぱいだった。

造船所の片隅では、世界初の超大型液化天然ガス(LNG)二重燃料推進コンテナ船として記録された1万4800TEU(1TEUは20フィート長さのコンテナ1個)級コンテナ船の内装作業が行われていた。

コンテナ船の燃料供給室に入ると、巨大な銀色の物体が目に入った。

氷点下163度以下の極低温で液化されるLNGを盛り込むため、9%ニッケル鋼で特殊製作された1万2000㎥級の大型燃料タンクだ。

現代サムホ重工業のムン·チョルウォン責任エンジニアは「ディーゼルエンジンに比べ硫酸化物(SOx)と窒素酸化物(NOx)の排出を80-90%減らし、二酸化炭素も15%以上削減する」とし「コンテナ船だけでなくタンカー、バルク船など全船種で二重燃料推進が主流になった」と述べた。

○大型二重燃料推進船を韓国が支配

これは、全世界的な炭素中立の風がもたらした環境にやさしい船の「建造競争」の断面だ。

マスクやMSCなどの世界的な海運会社各社は、2018年から炭素中立を宣言し、エコ船体の構築に乗り出してきた。

費用の問題でLNGやLPGなどガス運搬船中心の二重燃料推進システムはもはやコンテナ船、タンカー、バルク船などすべての船種に適用されている。

クラークソンによると、昨年発注された1561隻の船舶のうち35%が二重燃料推進船だった。

2025年になれば、50%以上に高まるだろうというのが業界の見方だ。

韓国造船会社の主力船種である1万2000TEU以上の大型コンテナ船に範囲を狭めると、この比重は40%台に高まる。

昨年発注された超大型原油運搬船(VLCC)の48%も、二重燃料システムを搭載した。

二重燃料推進船とは、従来の船舶燃料であるバンカーC油やLNG、メタノール、アンモニアなどの代替燃料を一緒に使用する船舶をいう。

自動車でいえば「ハイブリッド·エンジン」だ。

現代サムホ重工業の親会社である韓国造船海洋をはじめ、サムスン重工業、大宇造船海洋など韓国の「ビッグ3」造船所はLNGが主流の二重燃料推進船市場を事実上支配している。

昨年1年間だけでも118隻の二重燃料推進船を受注した。

世界初のメタノール推進超大型コンテナ船も同様に、韓国造船海洋傘下の現代重工業で建造している。

現代サムホ重工業のキム·ヨンファン常務は「新技術が融合した高価な船舶はひとまず韓国造船所に任せるのが業界の主流になった」とし「全船種がエコ船に転換要求を受けており、受注はますます増えるだろう」と述べた。

○中国の追撃

しかし、韓国の造船所は緊張を緩めずにいる。

韓国が強みを持つLNG二重燃料推進エンジンが、現在、環境にやさしい船市場の主流となっているが、結局、LNGすら化石燃料という限界を持っている。

このため中国、日本など造船所は排出が全くないアンモニア推進船開発で「一発逆転」を狙っている。

二重燃料推進関連の源泉技術を海外に依存していることも克服すべき課題だ。

まだごく初期段階の水素を除けば、すでに商用化が行われたLNG、メタノール、LPGからアンモニア推進まで、大部分の大型船舶エンジンの源泉技術はMAN、バルジラなど欧州のエンジン開発会社が保有している。

ビッグ3を中心にアンモニアと水素燃料推進システムの開発が行われているが、まだ「追撃者」の位置というのが業界の冷静な分析だ。

エコ船の発注量が増え、低い人件費負担で費用競争力のある中国造船所が、高難易度の大型エコ船建造の経験を積んでいることも、脅威要因となっている。

造船業界の関係者は「中国は自国発注を通じて試行錯誤を経験しながらも素早く技術格差を縮めている」とし「中国の物量攻勢に打ち勝つためにはアンモニア、水素など次世代技術の先取りが必要な状況」と述べた。

記者 ファン·ジョンファン jung@hankyung.com
<著作権者(c)韓国経済。無断転載・再配布禁止。>

原文記事
出所:韓国経済(2022.01.21)
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