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中国の吉利、韓国でEVトラックを生産・販売へ
作成日
2022.03.10



中国民営完成車メーカー1位の吉利(ジーリー)自動車が、韓国の自動車部品メーカー「ミョンシングループ」と提携し、来年から旧韓国GMの群山(クンサン)工場で、1.5トンの電気トラックを生産して販売することにした。

中国メーカーが、韓国で電気自動車(EV)を生産するのは初めてだ。

内燃機関車時代には、格下と評価されていた中国車が、EVで自国市場を掌握したのに続き、韓国を足場に世界市場に進出し始めた。

関連業界によると、吉利汽車の商用部門は2月21日、中国杭州本社でミョンシンとEV合弁の開発·製造·販売契約を結んだ。

両社は、吉利車が来週、現地で公開する小型電気トラック「シンシャン(e51)」に基づいた韓国オーダーメード型モデルを開発した後、来年6月から群山工場で生産することにした。

業界関係者は「EV商用車市場が大きくなっているが、韓国の消費者としては、現代自動車と起亜以外には選択肢がない状況だ」とし「吉利車とミョンシンが、韓国の電気商用車市場をブルーオーシャンと判断した」と述べた。

今年6月に中国で発売される「シンシャン」は、1回の充電で走行距離は250キロ程度だ。

現代自動車ポーター2エレクトリックや起亜ボンゴ3電気自動車より30キロメートル多く走れる。

吉利車とミョンシンは、この車に韓国消費者が好む仕様の通風シートを装着し、韓国型にアップグレードする計画だ。

初期生産台数は年間4000台と見積もった。

その後、物量を増やす一方、8トンの電気トラックや電気ピックアップトラックも韓国型で開発し、群山工場で生産する計画だ。

2025年には、韓国内で電気商用車3万台を販売するというのが両社の計画だ。

3年後には、電気商用車市場が、8万台に拡大すると予想されることを勘案すれば、シェアを37.5%まで高めるという攻撃的な目標を設定した。

市場では、中国が、韓国市場の最古参である現代自·起亜に、強力な挑戦状をたたき突きつけたとみられている。

業界関係者は「中国車は、品質の低さと安全性に対する先入観があるが、EVの製造能力だけは無視できない水準」とし「低い製造原価を勘案すれば韓国市場で無視できないライバルになる」と述べた。

中国の昨年の新車販売は、計2627万5000台で前年比4%伸びた。

販売増減率が4年ぶりにプラスに転じたのは、EVの販売が爆発的に伸びたためだ。

中国では昨年、EVが前年の倍を上回る352万台が販売された。

注目すべきことは、テスラを除けば、中国メーカーが主導しているという点だ。

1位の比亜迪(BYD)が60万台、X-peng、Nio、リオットがそれぞれ約9万台を販売し、内需市場をけん引した。

国内を制覇した中国企業が、本格的に韓国など海外進出を始めた。

自動車の品質に厳しい韓国消費者のニーズを合わせれば、世界の舞台でも通じるという戦略的判断により、韓国市場を積極的にうかがっている。

吉利は、その先陣となる。

昨年の韓国での電気商用車の市場規模は、約2万5000台だ。

現代自動車と起亜が、それぞれ「ポーター2エレクトリック」、「ボンゴ3電気自動車」で市場を掌握している。

韓国政府は2025年、電気商用車の普及を約8万台に増やす計画だ。

増える普及物量に合わせて、消費者の選択権を多様化すれば、勝負してみる価値があるというのが吉利とミョンシンの判断だ。

両社が共同で開発する1.5トン電気トラックは、世界の電気自動車バッテリー1位の中国CATLの製品を装着する。

業界関係者は「ひとまず、価格競争力を備えた状態で品質まで認められれば、国内電気商用車市場の版図を覆す可能性がある」と述べた。

吉利車は、すでに様々な形で韓国に進出している。

最近では、フランスのルノーグループと提携し、吉利ホールディングス傘下のボルボ·プラットフォームを基盤とするエコカーを、ルノーサムスン車釜山(プサン)工場で生産し、24年に披露することにした。

ボルボと吉利ホールディングスが合弁したEVブランド「ポルスター」も、韓国に上陸した。5ドア電気ファーストバック「ポルスター2」は1月、国内事前予約1週間で4000台を突破した。

専門家らは、中国のEVの技術水準は、相当なものだと口をそろえている。

自動車産業協会関係者は「EV販売10大会社のうち4社が中国系」とし「内燃機関車と違い、EV部門では中国と既存自動車強国の技術格差が大きくない」と述べた。

○中国EVバス、韓国で30%超

中国ブランドはすでに、韓国の電気バス市場に食い込んでいる。

昨年、韓国で新規登録されたEVバスのうち、中国産の割合は初めて30%を超えた。

チョン·ヒヨン国民の力議員が、国土交通省から受け取った資料によると韓国で昨年、新規登録した電気バスは、2838台だが、このうち中国産バスは31.4%の890台に達した。

中国製EVバスの割合は、19年の24.8%、20年の27.7%に続き、昨年まで徐々に高まっている。

価格の安さを武器に、韓国市場を攻略しているというのが業界の説明だ。

韓国の大型電気バスの価格は1台当たり3億ウォン(約2912万円)の後半だが、中国製は、2億ウォン(約1941万円)台で購入できる。

EVバスの補助金(大型基準で7000万ウォン)を受ければ、1億ウォン台で中国産バスを購入できる。

現代自動車は、電気商用車のラインナップを増やして対応する計画だ。

現代自はこれに先立ち、25年までにエコ商用車のラインナップを17種に拡大すると発表した。

従来のEV1種、水素電気車1種から25年は、EV7種、水素電気車10種へと増やすのが目標だ。

トラックは6種類、バスは11種類ある。

専門家らは「中国が、EV部門で『規模の経済』を先に成し遂げた上、ソフトウェア競争力まで備え、高級EV市場でもシェアを伸ばしている」とし「韓国企業が、製造コストを下げて技術を補強しなければ、国内市場で中国EVとの競争に苦戦する可能性もある」と述べた。

記者 キム·イルギュ
<著作権者(c)韓国経済。無断転載・再配布禁止。>

原文記事
出所:韓国経済(2022.2.23)
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