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韓国進出の成功事例

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東西石油化学(Tongsuh Petrochemical Corp.)
作成日
2013.02.13


東西石油化学、韓国市場で成功を収める

アクリロニトリル製造メーカーで、日常生活で欠かせない物質の生産に重要な役割を担当する東西石油化学

東西石油化学(株)、その名声にはそれなりの理由がある。

東西石油化学は1969年、アクリル繊維とABS樹脂の生産に使われる化合物のアクリロニトリル(acrylonitrile)を韓国で初めて生産した。現在は560ktのアクリロニトリルを生産できる能力を備えており、単一生産施設としては世界トップ水準とされる。また、東西石油化学はシアン化ナトリウム(sodium cyanide)を世界最大規模で生産している企業でもある。

東西石油化学のホ・ジョンピル社長は、韓国進出を考えている人々に対してこのアドバイスを強調する。

「韓国人を信じなさい」

現在、東西石油化学を100%子会社として抱えている旭化成(Asahi Kasei)は、1974年にそのアドバイスを実践に移している。当時、東西石油化学は韓国の韓一合繊と米国のスケリーオイル(Skelly Oil Co.)の提携会社だった。その後、日本の旭化成がスケリーオイルに25%資本参加し、1975年には東西石油化学の株式を50%取得し、1998年に100%の株式取得で東西石油化学を完全子会社にする。

ホ社長は「旭化成の完全子会社になってから、会社は目覚しい成長を記録してきた」と話した。ホ社長は1977年に東西石油化学に入社し、2009年に社長の座に就いた。


現在、東西石油化学はアクリロニトリルとシアン化ナトリウムを始め、アクリルアミド(acrylamide)、エチトロン酸(EDTA 4NA)、硫酸アンモニウムを主に生産している。これらの化合物は、日常生活の中で間接的によく見かけている物質だ。一般的に、アクリロニトリルで作られたアクリル繊維は毛布やカーペット、セーター及びその他の衣類においてウールの代替材料として用いられている上、飛行機の本体に用いられる炭素繊維の生産にも使われる。シアン化ナトリウムは鉱石から金を抽出するために使われる試薬で、その他の製品も洗剤から肥料まで様々な製品を生産するために使われる。

生産した製品の半分以上を輸出している東西石油化学は、様々な顧客層を誇っている。主な顧客社にはLG化学、錦湖石油化学、第一毛織、韓国スタイロルーションなどがある。210人に及ぶ東西石油化学の職員は汝矣島(ヨイド)にある本社と蔚山(ウルサン)の工場及び事務所で顧客に対してサービスを提供している。

アクリロニトリルの生産工程に旭化成の触媒を取り入れた15年前から、東西石油化学の生産性と効率性ははっきりと向上してきた。旭化成の完全子会社になってから10年間、会社の売上は約3.7倍が成長し、ここ3年間は57%の成長率を記録した。昨年12月に4ヶ所目の生産施設となる新規のアクリロニトリル工場が稼動され、生産能力は245ktから560ktまで増加した。また、シアン化ナトリウムの生産能力も28ktが増加した70ktになった。

ホ社長は、「東西石油化学は、旭化成の子会社の中で最も成功したケースとして認められている」と話した。

ただ、成功までの道のりは決して平坦ではなかった。1970年代のオイルショック、2003年に3ヵ所目のアクリロニトリル工場を設立した時も危機が訪れた。技術及び工程に関する問題、事故、市場状況の悪化などで数年間損失が続いたときもある。しかし、コスト削減に向けた努力やサプライヤーの支援、施設の安全度を向上させる方策などの努力を通じて2005年以降は無事故で運営しており、収益性も向上された。

今年末、東西石油化学は現在建設中のアセトニトリル(acetonitrile)新規工場の稼動を開始する予定。長期的には、旭化成の化学部門企業である旭化成ケミカルズ(Asahi Kasei Chemicals Corp.)の技術を取り入れ、新たな石油化学製品への投資を考えている。

ホ社長は、「石油化学産業に適した地政学的な位置を考えると、韓国はコスト削減や中国へのアクセス、低い物流コストなど様々な面から日本より有利な条件にある」とし、「これを受け、旭化成は競争力の高い製品を生産するため、韓国への追加工場設立を前向きに検討している」と話した。

By Chang Young (young.chang@kotra.or.kr)

ご存知ですか?
ㆍ東西石油化学の主力品目であるアクリロニトリルは、水によく似ている。
ㆍ東西石油化学のほとんどの職員は、一定レベル以上日本語ができる。
ㆍ東西石油化学は汝矣島IFCモールの地下と繋がっているOne IFCビルディングに位置している。
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