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[エネルギー] [再生可能エネルギー] 韓国の再生可能エネルギー分野の政府政策および外国企業の投資動向
作成日
2024.06.11
韓国の太陽光、風力発電関連部品の製造技術力は世界的に認められており、これまで複数の国々を相手にして相当な輸出実績を積み上げてきた。しかし、最近、従来の競争相手だった中国に加え、東南アジア地域の攻勢が始まり、関連業界は輸出競争力を確保する突破口を探している。これについて業界は開発された製品の国内普及拡大で輸出のためのトラックレコードを作ることが大きく役立つと述べている。そのための国内の太陽光、風力発電の普及は最近も依然として活発に行われており、関連事業への投資機会は外国企業にも開かれている。

韓国政府の再生可能エネルギー政策の動向

産業通商資源部は2024年5月16日、「再生可能エネルギーの普及拡大及び供給網強化戦略」を発表した。今回の発表の主な内容は、第一に、健康な洋上風力産業生態系の造成に向けて政府主導の計画的な洋上風力の普及を進めることである。そのために洋上風力特別法の制定を急ぎ、政府が立地の発掘と環境性および受容性を確保することで秩序ある開発を誘導する。準計画立地である集積化団地制度を活性化して地方自治体と中央政府との協力を強化し、参加を誘導するためのインセンティブを設計し直す。また、洋上風力生態系全般の競争力を強化するためにサプライチェーンの競争力強化を中心に競争入札市場の運営および評価方式を改善し、普及拡大に備えた港湾および船舶などの設置関連インフラの構築を支援する。

第二に、秩序ある太陽光発電の拡大に向けて立地種類別の戦略的普及と電力網環境を考慮した新規設備の市場参入を推進する。これを通じて太陽光設備の乱立を防ぎ、効率的な普及を図る。電力網環境を考慮した秩序ある新規設備の市場参入で電力系統の負担を下げ、住民受容性の低下問題を解決する。第三に、新しい市場にふさわしい制度への転換に向けてRPS(Renewable Portfolio Standard)制度を再編し、PPA(Power Purchase Agreement)の活性化および自主的再生可能エネルギー市場を造成する。これを通じて民間の自主的な市場需要を満たし、再生可能エネルギー普及の安定性を確保する。具体的には、政府の新規設備普及目標量に対して毎年、エネルギー源別に入札させる。政府は価格・非価格指標で評価して入札容量内で設備を選定する。落札設備は応札した価格で長期(20年)固定価格(/kWh)で契約を行い、一定規模以下の設備の市場参入に対して別途、経路を設ける。

第四に、海外市場進出を支援するために、ワンストップ進出支援システムを作り、政府間協力を通じて段階別のカスタマイズ支援を提供する。これを通じて国内再生可能エネルギー企業のグローバル競争力を強化し、海外市場における地歩を拡大する。政府は「再生エネルギー海外進出協議会」を新設してワンストップ進出を支援し、段階別のカスタマイズ支援を通じて海外市場への進出を促す。このような政策方向で政府は再生可能エネルギーの普及を体系的に拡大し、サプライチェーン競争力を強化することでカーボンニュートラルとエネルギー安保の同時達成を目指す。

外国企業の韓国内風力、太陽光事業への投資動向1)

ドイツのエネルギー企業であるRWEは忠清南道・泰安の海岸で495MW規模の西海洋上風力発電事業の許可を得た。RWEは現代建設と洋上風力共同パートナーシップを締結しており、韓国内に3GW規模の洋上風力パイプラインを保有している。タイのBグリムパワーは全羅南道・霊光に位置した二つの洋上風力発電所に投資している。霊光落月と霊光ハンビップロジェクトへの投資で、それぞれ365MWと375MWの設備容量を備えている。デンマークのオーステッドは仁川で1.6GW規模の洋上風力発電事業権を得ている。オーステッドは2030年までに8兆ウォンを投資し、洋上風力団地を建設する計画だ。ノルウェーのエクイノールは国内の洋上風力4∼6GWの開発を目標としており、蔚山と楸子群島の沖でプロジェクトを進めている。主要プロジェクトには「バンディップリ」と「東海1」があり、バンディップリの運営は2030年を目途にしている。デンマークのCIP(Copenhagen Infrastructure Partners)は「全南海上風力」、「ヘウリ海上風力」、「海松海上風力」、「へグム海上風力」などの発電事業許可を取得した。CIPはSK E&Sと協力し、全南海上風力の開発を推進している。マッコーリーグリーンインベストメントグループ(GIG)のコリオはトタルエナジーズとともに釜山、蔚山、全羅南道などで2.9GW規模の洋上風力団地を開発している。BPも南海岸地域で洋上風力団地への投資を進めている。

イギリスの投資企業アクティス(Actis)は韓国の再生可能エネルギープラットフォームであるアルゴエネルギー(Argo Energy)に最大1億ドルを投資して韓国の太陽光市場に参入しており、小型および屋上太陽光発電に力を入れている。アルゴエネルギーは現在110MW規模の太陽光プロジェクトを運営しており、今後400MW以上に拡大する計画だ。マッコーリー・アジアインフラファンド(MAIF)第3号は太陽光開発事業者の投資プラットフォームであるサミットエナジーアライアンス(Summit Energy Alliance)を設立した。ブラックロック(Blackrock)は太陽光プラットフォームであるブライトエネルギーパートナーズ(BEP)に1,700億ウォンを投資した。BEPはここ三年間、約3,300億ウォンの資金を誘致しており、全国の中小規模の太陽光発電所を運営している。ブラックロックは新再生可能エネルギー専門投資グループであるクレドホールディングス(KREDO Holdings)の持分を100%買収している。クレドホールディングスは洋上風力、大規模太陽光、燃料電池事業などに集中的に投資してきている。シンガポールのエネルギー企業であるグリンエナジー(Gurin Energy)も全羅南道を中心に大規模太陽光発電所に投資し、事業を拡大している。

韓国は昨年末に開かれたCOP28で、再生可能エネルギーを3倍に拡大するという誓約に参加することにした。高い人口密度、産地の多い地形、四季がはっきりしている気候など、他国に比べて再生可能エネルギー普及の環境が極めて厳しい韓国で、画期的に再生可能エネルギーの普及を拡大するための突破口として、政府はこのように競売制度の活性化とRE100支援に焦点を合わせている。韓国政府は再生可能エネルギー関連政策の強化など再エネの普及に対する強い意志を示しており、迅速な普及拡大が期待されている。

オ・ヒョニョン(吳賢永)副研究委員(hyunoh@keei.re.kr)
エネルギー経済研究院

1) ディールブックニュース、「国内洋上風力・太陽光市場、外国系資本の角逐戦」”, 2024.04.08

<本稿の内容は、筆者の個人的見解であり、必ずしもKOTRAの見解ではありません。>

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